キリンホールディングス(HD)は中国のビール最大手、華潤集団と中国事業で提携する
年内にも共同生産販売の合弁会社を設立
華潤が中国全土に持つ販路やキリンの現地工場を活用して両社の飲料事業を拡大する
中国は世界ビール消費の約4分の1を占める最大の成長市場で、アサヒビールは現地2位の青島ビールと提携している
世界の食品業界で勝ち残りを目指し、国内外大手の合従連衡が加速してきた
キリンは近く華潤との提携を発表する
華潤集団は傘下の華潤雪花(ブランドは雪花ビール)が中国ビール市場で青島ビールを抜き、2割程度のシェアを持つ
キリンHDは国内ビール事業でアサヒに次ぐ2位だが、清涼飲料、乳製品などを含めた日本の食品最大手両社の提携内容は、キリンが珠海市、大連市などの3工場(一部は現地資本との合弁)で生産する「一番搾り」や現地専用のキリン商品を、華潤の営業網に乗せて販売
華潤はキリン工場への生産委託を通じて雪花ビールを増産する
これらを統括する合弁会社を設立する
新会社の資本金や出資比率など詳細を詰めている
華潤が手掛ける清涼飲料でも提携するもようで、商品開発を含め飲料全般の共同事業に発展する可能性もある国内のビール系飲料市場がピークの1994年の8割まで縮小する中、食品大手は海外事業拡大が課題
キリンはサントリーホールディングスとの経営統合が2010年2月に破談した後も、シンガポールの清涼飲料大手に出資するなどグローバル展開を加速している
海外売上高比率は27%(09年12月期)とビール大手で最も高いが、事業はオーストラリアや東南アジアが中心だった中国では90年代からビールの生産を始めたものの、販路の限界などから事業は小規模にとどまっていた
華潤との提携をテコに中国事業を収益源に育てる中国の09年のビール消費量は前年比7.8%増の4219万キロリットルと、世界2位である米国の1.7倍
清涼飲料も米国、日本に次ぐ3位(08年)の消費国
アサヒは10年に食品大手の頂新グループとも資本業務提携するなど攻勢を強めている
キリン×雪花、中国のビール最大手・華潤集団と合弁 :日本経済新聞