「幸せは伝染する」 @ak_tch


「 “モテキ”はなぜやってくるのか?」で“つながり”について書いたが、私たちはいったいどのようにつながっているのだろうか? ここでは、それを可視化してみよう。

以下の3枚の図版は、いずれもニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』に掲載されているものだ。

1枚目は、白人生徒が大半を占めるアメリカ中西部の中規模高校(仮名で「ジェファーソン高校」)のセックス相関図だ。

色の濃い点が男子、色の薄い点が女子で、複数の異性とつき合っている場合は2方向(もしくは3~4方向)に枝が伸びている。

これを見るとわかるように、枝の末端にいる生徒を除けば、すべての生徒が複数の異性と性関係を持っている。でもこれは、「アメリカの高校は風紀が乱れている」ということではない。

そもそもなぜ、社会学者がこのようなセックス相関図を描くことができたのだろうか? それはこの高校で、性感染症(梅毒)が広まったからだ。

さらなる感染を防ぐために、患者たちは聞き取り調査によって、病気を移した(移された)可能性のあるセックスフレンドを申告するよう求められた。こうしてできたのが、このセックス相関図だ。

1対1で異性とつき合っている高校生は病気に感染していないので、この相関図には現われない。だからこれは、自分もしくは相手(あるいはその両方)が二股以上をかけている、性に対して積極的な高校生の相関図ということになる。

この相関図を見ればわかるように、生徒たちのつながり(社会的ネットワーク)は本線(幹)と支線(枝)にわかれている。それぞれの枝の部分が、学校における友だちグループだ。

ここから、きわめて単純な規則性を見出すことができる。

ひとつは、「異なる友だちグループ同士は交わらない」ということ。

もうひとつは、「友だちグループのなかで、他の友だちグループと交渉を持つのは一人だけ」ということ。

この特権的なメンバーは通常はグループのリーダーで、彼(彼女)がグループ外の異性とも性関係を持つことで、グループ間で性病が広がっていく。

こうした構造は、不良グループ(「暴走族」や「チーマー」はもう死語ですか?)を考えるとわかりやすい。

グループの末端メンバーは、敵対するグループと出会えばケンカをするだけだ(交わることはない)。グループの垣根を越えて、他のグループのリーダーたちと話ができるのは、ただ一人のリーダーに限定されている(“組長会議”に出られるのが、リーダーの権力の源泉だ)。

ただしジェファーソン高校の相関図を見ると、大きなグループ同士がダイレクトにつながっているわけではないことがわかる。学校集団のなかには、有力な友だちグループには属さず、人気のある(グループのリーダーの)男子や女子とつき合う生徒がいる。トリックスター的な行動をとる彼(彼女)が媒介となることによって、グループ同士がゆるやかな輪を構成するのだ。

これは、学校における噂(情報)の伝わり方を可視化したものでもある。

本線(幹)の部分に位置するAやXの生徒には、さまざまなグループの情報が、いろいろなルートから真っ先に入ってくる。それに対して枝の末端部分に位置するBの生徒は、ネットワークへのアクセス権を持つリーダーから教えられないかぎり、重要な情報を知ることができない。

このように、学校ネットワークの本線にいるのか支線にいるのかで、彼(彼女)の学校生活は大きく変わってくるだろう(自らはグループのリーダーにならなくても、リーダーとつき合うことによって、集団のなかで有利な位置を占めることができる)。

ところでこの法則は、たんに高校生の集団だけに当てはまるのだろうか。

そこで、2枚目の相関図を見てみよう。ジェファーソン高校によく似ているが、これはボストンの西にあるフレーミングハムという小さな町の家族と友人のネットワーク図だ。

この町の病院(フレーミングハム心臓研究所)は、1948年から疫学調査の一環として2年に1回の健康調査を行なっており、全成人の3分の2が参加している(町を離れたひとにも連絡をとり、検査を受けてもらっていた)。

『つながり』の著者たちは、この手書きの膨大なデータから5124人の主要グループに焦点を合わせ、5万を越えるつながりを描き出した。それが、この関係図だ。

すぐにわかるように、アメリカのごく平凡な町の社会ネットワークも、本線(幹)と支線(枝)からできており、異なるグループ同士は交わらない。だがこの調査で興味深いのは、住人の幸福度を調べていることだ。

質問に対して「自分は幸福だ」とこたえたひとは黄色、「自分は不幸だ」とこたえたひとは青色で、「どちらでもない」とこたえたひとは緑色だ。

幸福度のちがいをネットワーク化してみると、ふたつのことがわかる。

ひとつは、幸福なひとと不幸なひとは似たもの同士でグループ化する傾向がある、ということだ(幸福なひとは幸福なひととつき合い、不幸なひとは不幸なひととつき合う)。もちろんこれだけでは因果関係はわからないが、「幸福なひととつき合っていると自分も幸福になり、不幸なひとのそばいにると自分も不幸になる」ということかもしれない。

もうひとつは、幸福なひとは本線(幹)の部分の多く、不幸なひとは支線(枝)の末端部に集まる傾向がある、ということだ。ひとは社会ネットワークから切断されていると、自分を「不幸」と感じるのだ。

もうひとつ、同じフレーミングハム心臓研究所のデータから、喫煙者と非喫煙者のネットワークを見てみよう。

ちょっとわかりくいかもしれなが、黄色が喫煙者で球の大きさがタバコの消費量を示す(大きな黄色の球がヘビースモーカーだ)。非喫煙者は緑色で示されている(拡大図参照)。

この関係図からも、やはりネットワークが本線(幹)と支線(枝)でできていることがわかる。本線を形成しているか、あるいは本線と直接つながる大きなグループを構成しているのは、その大半が非喫煙者だ。

それに対して喫煙者は、次のふたつの特徴を持っている。

ひとつは、喫煙者は喫煙者同士で固まる傾向があること。もうひとつは、ヘビースモーカーであるほど、枝の末端に位置すること。

アメリカ(東海岸)では、喫煙はある種のスティグマになっていて、タバコを吸っていると社会ネットワークから排除されてしまうのだ(あるいは、社会的に孤立したひとが喫煙をする)。

このようにネットワークを可視化してみると、これまで漠然と感じていた人間集団の“つながり”の秘密がはっきりと見えてくる。

それ以外にもつながり 社会的ネットワークの驚くべき力』には、「肥満は伝染する」(知り合いが太っていると、自分も安心して食べてしまう)とか、「転職のときは親しくないひとほど役に立つ」(親しいひとは自分と同じグループに属しているので新しい世界を紹介できない)などの面白いデータがいろいろ紹介されています。興味をもたれたら、ゴールデンウイークにどうぞ。

高校生のセックス相関図から幸福と不幸を考える | 橘玲 公式サイト

幸福感は伝染する。 (誰かの幸福感に変化が起きると、「幸福」または「不幸」な人々の社会的また地理的な集団が形成される)

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LINE絶好調、ドリランドも抑えて3位に。 @nanapi

LINE

24時間、いつでも、どこでも、無料で好きなだけ通話やメールが楽しめる新しいコミュニケーションアプリ。iPhone・Android・フィーチャーフォン対応。全キャリア対応。

LINEの有料スタンプが絶好調!ドリランドも抑えてAppStoreで3位に - nanapi Web

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今週の売れ筋ランキング 1位、なんと「骨太ど・みそ次郎」(ファミマ.com)

Yahoo!ニュースに、Facebookコメント。 @nanapi

Yahoo!ニュースがFacebookコメントを導入?

Yahoo!ニュースといえば、日本最大のインターネットニュースメディアですが、そのコメント欄の中に、Facebookコメント欄がテストでつけられているようです。

場所は、コメントタブの右横。新たに「Facebook」というタブができています。

一見地味な改善ですが、これは実に大きな動きかもしれません。

Facebookのコメント欄とは?

Facebookのコメント欄は、Facebookに登録している人なら投稿できるものであり、コードを埋め込めばでどのサイトでも、Facebookアカウントで投稿できるというものです。実名制なので荒れにくい上、認証が簡単なため、世界中で導入が進んでいます。

以下からコードを獲得することができます。

Comments - Facebook開発者

どういうインパクトがあるの?

さて、これはどういうインパクトがあるのでしょうか?

まず、日本一のニュースメディアが自社のコメント欄だけではなくて、Facebookを利用するということで、Facebookを使うユーザーの拡大につながる可能性があります。すでに1000万人を突破していますが、その流れをさらに推し進めるでしょう。

また、Yahoo!ニュースは各サイトからニュース記事を集めて集約させている場所ですが、Facebookからの流入数が増えることになり、ますます存在感を増すことになります。

これは本導入か?

さて、Yahoo!JAPANが導入したFacebookコメントは、これは引き続き継続されるかという疑問はあります。

NY株反落、102ドル安=欧州政局を懸念〔米株式〕(23日)☆差替 (時事通信) - Yahoo!ニュース

上記ニュース上に、Yahoo!JAPANの新COOである川邊健太郎氏による「テスト」という投稿があることから、テストで導入をしているのかもしれません。

今後の流れは?

この背景には、Yahoo!JAPANの経営陣が刷新されたことがあるのではないかと予測されます。Yahoo!JAPANをソーシャルに対応したり、モバイルに対応したりする流れの一つではないでしょうか。

すでに日本一のYahoo!JAPANですが、インターネットの素早い動きに対応できるようになりつつあるのは、他の競合ポータルサイトにとっては脅威かもしれません。

Yahoo!ニュースがFacebookコメント欄をテスト中か? - nanapi Web

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「Active View+Active GRP」~GoogleのBrand Activate Initiative @markezine_jp

グーグルは今回、Brand Activate InitiativeというブランドマーケティングのROIを向上させる取組みについて発表した
今回発表された2つの指標のひとつ「Active View」は、ディスプレイ広告が画面上にすくなくとも50%表示されるか、1秒間表示されたことをカウントするもの

従来は、アドサーバーから広告が配信されると1インプレッションとカウントしていたが、配信されでもエンドユーザーの見える範囲内に表示されなかったり、画面上にきちんとロードされなかったりすることもある
この「Active View」では、実際に画面の前にいる人間がその広告を見ることができるかを重視して計測し、広告主は、表示されたインプレッションにのみ代金を支払うことになる

グーグルは、Active Viewを今後数週間のうちにGoogle Display Networkで順次展開
最終的には広告管理・配信ソリューション「DoubleClick for Advertisers」に組み込んで提供する

もうひとつの新しい指標「Active GRP」はテレビCMの効果測定指標として使われているGRP(のべ視聴率)を、ウェブ用にバージョンアップしたもの
これは集約したパネルデータと匿名のユーザーデータを組み合わせた統計的なモデルを使って算出されるため、個人情報を扱う必要がないという特徴がある
この指標はDoubleClick for Advertisersクライアント向けのパイロットプログラムとして提供を開始する

グーグルは、米インタラクティブ広告業界団体IABらの取組み「Making Measurement Make Sense (3MS)」や業界全体と連携してこれらの指標の普及に努め、雑誌やテレビで広告を展開している多くのブランドをウェブに呼び込みたい考えだ

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米国ネット広告売上高、過去最高の310億ドル、モバイルが3ケタ成長【IAB調査】
アタラ、流入元の成果貢献度を評価する2つの指標を開発
企業が重視する広告効果指標、PC広告は「クリック数」、モバイル広告は「クリック単価」
 

グーグルが2つの新指標を発表、インプレッションをより厳密に再定義 (1/1):MarkeZine(マーケジン)

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「たまご焼きを輸出せよ」~中小企業の挑戦 @NHK_PR

首都圏ネットワーク

4月10日放送
“たまご焼き”を海外に売り込め

NHK千葉 加藤 陽平 写真
NHK千葉
加藤 陽平

たまご焼きは、日本食の代表の一つとも言っていい料理ですが、この日本の味を海外に売り込んでいる企業が、千葉県にあります

原発事故の影響や円高など、日本からの食品輸出には逆境のなかで、挑戦を続けています

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ことし2月、タイの首都バンコクにある、大規模なショッピングセンターで、日本食の試食販売会が開かれました

販売されたのは、たまご焼きでした

食べたタイの人たちにも「おいしい」とか「甘すぎなくていい」と好評でした

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たまご焼きを作ったのは、千葉県君津市の従業員およそ50人の企業です

卵の生産量が、全国2位の千葉県の中でも、特に生産が盛んな君津市という立地を生かし、新鮮な卵を安く仕入れています

千葉県や東京を中心に、売り上げを確保していますが、今、事業の柱にしようと取り組んでいるのが、海外での販売です

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3年前に社長に就任した井木永悟さん
積極的な海外進出を目指すのは、日本の人口減少で、国内市場が小さくなっていくことに、危機感を抱いているからです

「このまま日本にいても、尻すぼみになるだけで、かなり危機感を感じていまして、それで、海外にたまご焼きを輸出しようと」

井木社長は着想をこのように話しています

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しかし、海外への卵焼きの輸出には課題がありました

たまご焼きを輸出するために冷凍すると、固くなり、味が落ちてしまうのです

そこで工夫したのが、卵に混ぜるデンプンです

特別な配合のデンプンを、ある割合で混ぜることで、冷凍しても味が落ちないたまご焼きを作ることができました

井木社長が指摘するポイントは「デンプンの量が多くても、少なくても、おいしい冷凍の卵焼きはできない
解凍した時に、水分をなるべく出さないようにする」ということでした

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井木社長自ら海外に売り込みに歩き、これまでに香港やシンガポールなど4つの国と地域に、販路を拡大してきました

さらに海外との取り引きを増やそうとしていたさなか、福島の原発事故が起きました

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千葉県産の食品の多くは、海外で輸入を規制されるようになりました

この会社のたまご焼きも、一時は輸出がゼロになりました

井木社長は、それでも海外進出を諦めませんでした

「一番やっちゃいけないことは、立ち止まってぼーっとすることなんです
状況がよくなってから『さあ動こう』というのでは遅い」と言います

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井木社長は、海外の見本市に積極的に参加することで広げた人脈を生かし、タイで試食販売を行うチャンスを得ました

本格的な日本の味はタイの人たちにも好評で、用意した1000個のたまご焼きは売り切れました

ショッピングセンターの食品部門の責任者も継続的な取り引きを希望しました

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この責任者は「予想以上の売り上げです
この商品を売り出していきます
消費者も買ってくれると思う」と話しています

井木社長は「自然な笑顔が出てきたことと、お客様の生の声を聞いたところから、これは皆さんの口に合うなと感じることができました」と手ごたえを感じたようです

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タイでは、現在も、千葉県産の食品は放射性物質の検査をしなければ、輸入が認められません

長引く原発事故の影響、さらに円高と、厳しい状況は続くものの、井木社長は、行動することで状況は変えられると信じています

井木永悟社長は「規制が解けるのを待っていたり、円安になるのを待っていたりしても、何も今のままから進歩がないですから
今やっていることが、将来のステップになればいい」と覚悟のほどを語っています


この試食販売会をきっかけに、タイでの契約がまとまり、今後は現地の日本食レストランにも売り込むために、社員が再びタイに渡って、交渉する予定だということです

取材したNHK千葉放送局の加藤陽平記者によりますと、井木社長は将来、東南アジアの国に生産拠点を構えて、海外での販売を事業の柱の一つにしたいと、話しているということです

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これまでに放送した内容 | 首都圏ネットワーク | NHK@首都圏

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「これからはスマートフォンです」~BE WILD / FOCUS / FUN / FAST @itm_nlab

迷ったらワイルドな方を選べ!ヤフーの入社式CEOメッセージが面白い

今日(4月2日)新年度がスタートしました
さまざまな企業で入社式が行われていますが、なかでもヤフーの宮坂学CEOによる入社式メッセージがなかなか面白いです
全文をご紹介しましょう

みなさんおはようございます
私も今日からCEOです
皆さんと同じようにピカピカの気持ちで頑張ろうと思っています

Yahoo!JAPANの社会における役割とは何か?それは人々の課題に応えることです
これまでも常に情報技術で人々や社会の課題解決を、主にパソコンで行ってきました
その結果大変多くのお客様に使っていただけるようになりました

これからはスマートフォンです
これからYahoo!JAPANはまだ地図のないスマートフォン大陸への旅を始めます
ぜひみなさんと一緒に出発したいと思います

私たちの日常生活は小さなことから大きなことまで、まだまだ課題の塊だと思います
Yahoo!JAPANはITで未来の人々を幸せにするエンジンになりたい、未来志向の課題解決を行う課題解決エンジンであり続けたいと思います

最後に4つ、約束してください

BE WILD ビーワイルド迷ったらワイルドな方を選んでください

FOCUS フォーカス得意なものを1個磨いてください

FUN ファン仕事は楽しんでやりましょう

FAST ファースト(=BAKUSOKU爆速バクソク)速くやりましょう

一緒にがんばりましょう

4月1日付けでCEOに就任し「ピカピカの気持ち」という宮坂氏
スマートフォンの分野へ“ワイルド”かつ“爆速”で攻めていくのでしょうか?ヤフーの新体制にも注目ですね

最終更新:4月2日(月)15時21分

ねとらぼ

迷ったらワイルドな方を選べ! ヤフーの入社式CEOメッセージが面白い (ねとらぼ) - Yahoo!ニュース

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「第2の敗戦」~国内他社は買収の競争に参加することもできなかった @Newsweek_JAPAN

それにしても、このニュースの伝わり方がそもそも気に入りません
まず、資本提携だとか苦渋の選択だという見出しで「ボカして」いますが、実質的には台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループによるシャープの買収であり、日本の大規模なエレクトロニクスメーカーの一角が、外資の軍門に降ることを意味します

鴻海は、まずシャープ本体の筆頭株主になる(報道によれば比率約10%)ことに加えて、主力の液晶事業の中でも重要なカラーフィルター技術を保有した堺工場は、子会社のSDPに移管した上で鴻海のオーナーや関連会社が46.5%を支配するというのです
SDPに関しては、シャープ本体が46・5%、鴻海側が46・5%という報道資料もありますが、シャープ本体については10%弱を鴻海が持つのですから、実質はSDPの51・2%は鴻海のものになります

こうした買収劇を「資本提携」とか「共存共栄策」などという曖昧な言い方で報道するというのは、まるで「敗戦」を「終戦」と言い換え、「占領軍」を「駐留軍」と言い換えてささやかなプライドを満足させた1945年の「敗戦」とソックリです
この点からしても、今回の事態は「第2の敗戦」と言って構わないでしょう

もう1つ気に入らないのは、報道で「鴻海」という名前ばかり出る一方で、アップル社の完成品組立外注先の「FOXCONN」が、この「鴻海」のグループだということが、ハッキリ説明されていないということです
具体的には、シャープはこれでアップルの孫請けになるわけです

報道に関する違和感については以上として、以下に箇条書きで雑感を記します

(1)原因の1つは、日本のエレクトロニクス産業が、世界市場における最終消費者とのコミュニケーションができないばかりか、完成品メーカーとの条件交渉とか仕様決定などの複雑でスピーディなコミュニケーションもできなかったということだと思います
そうだとすれば、要するに非常にカチッとした仕様と、数量、条件だけのコミュニケーションで済む孫請けになるというのは宿命だったということになります

(2)日本の同業他社との合併という選択もあったはずですが、対等でない合併で「日本語を話す同類」の支配を受ける屈辱、複雑な人事制度を合わせる手間などを考えると、外資しか選択がなかったのでしょう
もっとも、リスクを取ってスピーディに決定ができない同業他社には、買収話の競争に参加することもできなかったのかもしれません
そうだとしたら、これも暗澹たる思いがします

(3)日本の金融機関の支援が得られなかったのでしょう
今回の鴻海グループの出資は、第三者割当と言って、新たにシャープが株を発行して鴻海が買うわけです
報道によれば669億円が入るのだそうですが、要はそのカネを他から調達できなかったのだと思います
日本にカネがないという理由は単純です
郵貯や銀行にリスクを好まないマネーばかりが集まり、それが国債でグルグル回ることの弊害、根底にあるのはそういうことだと思います

(4)円高の中でもこうしたことが起きるのですから、これが20%、30%円安が進行した後なら、もっともっと「アッと驚く」ような外資による買収が増えるでしょう

(5)そもそも「ガラパゴス」などという自嘲的なネーミングで、未成熟な日本国内のタブレット市場に「ハード」で参入したあたりで、株主も社会も「タオルを投げる」べきでした
あれは、要するに「国際的な市場は分かりません」という宣言だったからです

(6)部品メーカーの、しかも最終販売会社からすれば孫請けになるとすれば、マージンは薄くなります
赤字は回避できるかもしれませんが、競争力維持のための研究開発は苦しくなるでしょう
その前に、将来的に本当に伸びそうな技術はどんどん鴻海本体に持っていかれるのではないかと思います

(7)アメリカで近年再評価されている成瀬巳喜男監督に『女が階段を上る時』(1960年)という切れ味の良い作品があります
その中で、小沢栄太郎演ずる怪しい経営コンサルタントが銀座の高級クラブで「アイツは今花形の軽電機の社長なんだ
俺が戦争中に通信機をやるように指導したんだ」などと自慢をするシーンが出てきます
軽電機というのは要するにエレクトロニクスであり、重電の反対語なわけですが、日本経済におけるその「軽電機の時代」というのが50年を経て終焉を迎えているのだと思うと特別な感慨があります
ちなみにシャープは創業100周年だそうです

鴻海精密によるシャープ買収をどう考えるのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

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「私は…自宅でも仕事をしてます…深夜に及ぶこともあります…朝5時半に起きて仕事をすることもあります」シェリル・サンドバーグCOO @t_yamaguchi

昨年、米フェイスブックでCEO・ファウンダーのマーク・ザッカーバーグより高い報酬(約3千万ドル、約25億3千万円)を得たCOOのシェリル・サンドバーグ氏ハーバード大学を首席で卒業し、マッキンゼー&カンパニー、ローレンス・サマーズ米国務長官の首席補佐官、グーグルの副社長と渡り歩き、ハリウッド映画も真っ青なキャリアウーマンです

実は、二児の母でもあるサンドバーグ氏そんな彼女が、MAKERSのインタビューで、仕事と家庭の両立について語っていますキャリアウーマンを目指す女性だけでなく、男性ビジネスマンにも興味深い内容なので、インタービューのまとめ記事を簡単に紹介します

早く退社するのは恥ずかしくも怠け者の証でもない

午後6時にフェイスブックのオフィスで、サンドバーグ氏の姿を見ることはありませんフォーブス誌が選ぶ世界で最もパワフルな女性5位に選出されたキャリアウーマンは、グーグルの副社長時代から一貫して、午後5時半に退社しています

サンドバーグ氏は、「以前は、同僚たちが、自分の退社時間のことをどう思ってるか気に掛けていたのですが、今では他人がどう思おうと自分にとって午後5時半に退社することは正しいことだという結論に達しました」

「毎日午後5時半に退社し、6時には自宅で子どもたちと夕食を楽しみます子どもが生れてから、ずっと続けていますただ、このことを社内外で公言できるようになったのは、ここ2年ぐらいのことです今は、自分に自信が持てるようになったので、『みなさん、5時半になったので私は退社します』と言えるのです」

と語っていますアメリカでも、早く帰宅することは不名誉なことだという考え方に強く染まっています特に、オフィスに何時間いるか、その人の労働に対する価値が判断されるような職場環境では尚更です

早く退社するけどハードワーク

サンドバーグ氏が超優秀なことは、誰しも認めるところだと思いますが、グーグルの副社長やフェイスブックのCOOという世界有数の成長企業の要職が、本当に9時5時勤務で務まるのでしょうか?

そんな素朴な疑問に対して、彼女はこのように答えています

「私は、一緒に働く人に対して、彼らに負けず劣らず一生懸命働いていることを示しています自宅でも仕事をしてますし、仕事が深夜にまで及ぶこともあります朝早く5時半に起きて仕事をすることもあります」

オフィスから早く姿を消すものの、結果として、かなりハードに働いているようです

ここ最近、彼女の逸話を聞けば聞くほど、このような女性が、アメリカ史上初の女性大統領になるんだろうなと感じます5年後、10年後、シェリル・サンドバーグ氏が何をしているのか非常に楽しみです

フェイスブックNo.2、シェリル・サンドバーグCOO「私は毎日午後5時半に退社し、家族と夕食を楽しむ。」 | PRFREAK

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「製作者側からの考察」~首相官邸ホームページのリニューアル構築費用に対して @yayuyayu


 

<img src="http://7dw.jp/blog/wp-content/uploads/2012/04/kantei-450x300.jpg" alt="" title="kantei" width="450" height="300" class="aligncenter size-thumbnail wp-image-920" />

「首相官邸HP、リニューアルに4500万円 ネットで怒りの声 「もっと安くできる」
http://www.j-cast.com/2012/04/03127701.html?p=all

 

この記事ですが、ネット上での「高い」という声は一般消費者感覚としては理解出来ますが、Web業界で働く私の周囲のリアルな同業者からも、ネット上の一般の方と同じように「高い」「騙されてる」「金のムダ使い」というような意見が出まして、ちょっと違和感を覚えました

また一方で、同業の方でも実際このクラスの規模の案件を受託しているような受託業者さん界隈からは「これくらいはかかる」「この金額以下だと受けられない」という声も聞かれました

私は後者の声に同感ですが、前者のような感覚を抱く方が何故このような感じ方になるのかと考えた時、こういう規模の案件をリアルに感じられない事が要因なのかな?と思い、第三者ですが製作者の視点から私の知る限りのケースを公開する事で実情を知ってもらい、ではどうしたら良いのか?と考えてもらるきっかけになればと思いエントリーを書きました

そして、公共の案件を受注する業者は「あくどい」とか、「下請け孫受けで中間マージンだけ抜きやがって」とか、そういうネガティブなイメージを持たれるのも本意ではありません
中には搾取的な勘違いゼネコン糞野郎もいると思いますが、下請け孫受けに出す所でも苦しい中で技術的なパートナーシップを組んで頑張っている所がほどんとです
泣きを見る事もあるでしょうけどみんな持ちつ持たれつやってると思いますし、大手もかなり厳しい中で悪戦苦闘しているイメージです

私がこの記事で伝えたい事は3つです

 

 

  1. 実際この位かかるのは妥当
  2. 求められる品質を見直すプロセスが必要
  3. 工夫出来る所はある、という視点に立つために

という3点です

 

1、実際この位かかるのは妥当

どこまでの仕様を求められ、どのくらいの期間のプロジェクトにもよります、という前提付きですが、率直に言ってこの規模の国の案件はこのくらいかかります
なんでそんなにかかるのか、というのを超超概要で説明してみます

公共案件は、基本的にプロポーザル(入札形式)です
発注者が求める要件をまとめた膨大なページ数の仕様書(要件定義依頼書/RFP)と共に、入札条件や入札日などが公示され、公示から定められた期間内(だいたい公示されてから1ヶ月程度)に、提案書をまとめ、プレゼンをし、金額を含めた総合評価の元に一番成績の良かった業者さんが落札します

今やITやWeb業界も不況の煽りを喰らっていますので、どの業者も苦しい状況です
国の案件などは予算規模も大きく、百戦錬磨の大手SIが虎視眈々と狙う絶好の狩場です
そんな弱肉強食、群雄割拠の中で繰り広げられる入札案件ですから、金額もかなり下げてきます
実際赤字になる事も珍しくありません
ちょっと想定外の事が起こると予算をあっという間に超えてしまう、それくらいのギリギリの所でみんな入札してきます
(想定外が起こらない案件は無いでしょうし、、

そういった事情を踏まえ、提案時に検討が必要な項目を以下にざっと書きます
構築ではなく、あくまで提案時ね

  • デザイン
  • 情報設計
  • アクセシビリティ
  • コンテンツ移行
  • インフラ(SLA、セキュリティ、ハードウェア構成)
  • デモ構築
  • ドキュメント作成内容
  • テスト作業内容
  • 見積もり
  • 提案書作成

●デザイン

提案時には、デザイン案も複数パターン求められる事も普通で、デザイン案を提出する、という事は、デザインの背景にある情報設計もかなりの精度で終わってなければいけません
要はほとんど構築と変わらないような作業が必要です

 

●情報設計

前記の通り、デザイン案を提出するという事は、第一階層、第二回層、第三階層などのテンプレートの設計や、ローカルナビゲーションやメニューの配置など、サイト全体の情報設計が必要で、ほとんど構築時のレベルの全体設計が必要になります

 

●アクセシビリティ

首相官邸ですので、国内では最高レベルのアクセリビリティを求められるはずです
公共系の案件で用いられるアクセシビリティの基準の一つとして『Webアクセシビリティの新規格「JIS X 8341-3:2010」』というものがあります
そして、その達成基準はA~AAA位は求められると思います

参考:http://waic.jp/docs/jis2010/understanding.html

アクセシビリティの達成基準の実現を目指す時、犠牲になるのが「デザイン性」です
この基準では、視覚的、聴覚的な障碍を持つ方や、高齢者の方など幅広くホームページの操作を可能にする為、デザインや構造、仕掛けなど様々な制限を設けています
色のコントラストとか、配色の内容、ナビゲーションの構成やhtml文書の記述の仕方までかなり細かいです

なので、「デザインしょぼ!」というのもごもっともだし、実際にもっと安く、良いデザインを提案出来る人もたくさんいるはずです

ですが、「アクセシビリティの達成」と、「達成したかどうかを判定するためのテスト」、そしてその「テスト内容を担保する為の膨大なドキュメントの作成」が求められます
その経緯の中で、デザインを優先するであるとか、機能面で優先項目が出た場合に、アクセシビリティとトレードオフした項目があった場合は、達成出来ない項目の代替案を検討し、運用方法をコンサルテーション、提案し達成基準同等まで落としこむ為のストーリーが求められます
システム的、もしくは手運用レベルで達成出来る事を担保しないといけませんから、ごまかすこともできません
そうなって来るとどうでしょうか?途端にハードルが上がりますよね

 

●コンテンツ移行

コンテンツ移行についても、仮に5000ページ移行する必要がある場合、1ページ単価を500円と設定すると(あくまで仮の金額ですが、現実的には500円とかじゃまず無理)、それだけでも250万円になります
国系の案件だと、移行コンテンツ5000ページとか普通です
※ちなみに、Wgetを走らせてwww.kantei.go.jpドメイン内の全ページ数の解析を試みましたが、解析率18%で既に1500ページを超え挫折orz…

これらをプログラム組んで全てガチャっと移行可能なのか、それとも人の手を入れ、手動&目視しないと移行出来ないのか、という所を含めて検討して見積もりを作成します
コンテンツ移行の絶対数が多いので提案期間内に全ページ検討なんてまず無理です
単価を見誤ると大惨事

 

●インフラ

インフラ(サーバーやバックアップ装置、ファイアーウォールやルーターなどのハード)も全て検討しないといけません
首相官邸のホームページですから、SLA(サービスレベルアグリーメント)も国内最強レベルで求められるでしょう

稼働率99.9%~100%、バックアップの冗長化や、自然災害時の為の物理的な冗長化
安定して稼働する為のスペックを満たし、何かあれば即人員投入出来る体制を整えなければいけないでしょう
海外からのアタックもあるでしょうから堅甲なセキュリティも必要です
この保守費用だけ見ても年で数百万になるでしょうね

 

●デモ構築

プレゼン時には、ある程度本番環境がイメージ出来るデモを構築しないといけません
という事は、提案時に既に構築が始まっているのです

あと、CMS費用も必要ですね
今回のCMSは何を使われてるのかわかりませんが、世界規模で一般的なCMSであるMovableTypeで考えた場合、サイトの規模的にAdvancedとなると思いますが、それがイニシャルで189万円です
他にも、モノによってはライセンスだけで500万だったり1000万だったりします

 

●ドキュメント作成

一般的に求められるドキュメントは以下のようなものです

・要件定義・仕様書
・基本設計書
・詳細設計書
・運用マニュアル(複数種類)
・ホームページ操作手順書
・テスト仕様書(単体・結合・総合・例外・アクセシビリティなど)
・テスト報告書(単体・結合・総合・例外・アクセシビリティなど)
などが挙げられます
他にも案件によってもっと増える事もあると思いますが最低このくらいは必要です

 

●テスト作業内容

案件を進める上で、何を持って正常に構築出来たかを判断する為のテストです
仕様書を元に要求された機能が満たされているか、何を持って満たされたと判断するのか、細かくテストを行い、ドキュメントに残しますので、その内容も検討しないといけません
提案時に細かく説明する事は求められないかもしれませんが、何をテストするのか?という事位は提案時に求められると思います

 

●見積もり

今までに検討した項目も含め、CMS開発等の構築費用がかかります
仮に1ヶ月20日計算で3ヶ月で開発に要したとしましょう
何人で開発しましょう?3人で開発したとします
1人日5万円の単価だと、1ヶ月100万×3ヶ月×3人なので900万円です
それ以外にもマニュアルやらドキュメントやらも作成しなければいけませんので、さらに人員が必要ですね
進行管理にはディレクターやプロジェクトマネージャーやらも必要です
導入前の操作研修や講師も必要ですね・・・

というように構築から納品までに関わる全ての費用をここで検討し算出します
見えない要件なども考慮し綱渡りさながらの中、見積だけでもかなりの労力を伴います
他社の動向なども意識しつつギリギリの金額を設定します

基本的に、実際に入札で業者選定された場合は、何があろうがその金額に収めないと行けないため、かなりの慎重に金額を算出しないといけませんし、中には赤字覚悟で実績を作りたい、という業者もいますので、そういうレベルで考慮しつつ入札金額を算出します
なので、ぼったくり、とかムダ使いだとかといった余裕のある状況でない事は確かです

 

●提案書作成

上記内容を踏まえ、最終的には50ページとかのプレゼン資料を作成しプレゼンをします

 

●●●

これまで見て頂いて、入札の時点で、何人位のプロフェッショナルが、何日位稼働しないといけないか、また実際の構築ではどれ位費用がかかりそうか想像できるでしょうか?

そして、入札までの上記の作業は、全て構築費には含まれません
自腹で動かなくてはいけないのです

これは予想ですが、4500万というのは、単に構築費だけじゃなくて、5年とかの運用費含む構築費用全体の予算だと思われます
単純に5年で割ると年間900万程度です
※入札要件の公示情報とかを探したのですが見つからず

RFPがあればぜひ見てみたいですねぇ

「桁が間違ってる」と言われるそこのあなた、さぁこの案件、5年契約で450万で入札してみてください
あなたなら出来るかもしれません
ただ、普通に考えると単純に人件費だけで見ても採算取れそうもありません

●受注した場合の構築費用概算をなんとなくザックリ立ててみた

<前提>

  •  前提として一律1人日5万、20日稼働の1人月100万
  • コンテンツ移行は、5000ページで、500円〜1000円の間を取って750円単価
    この金額もかなり適当
  • めんどくさい所はとりあえず一式で算出
  • 5年契約
  • 細かい仕様はあんまり見てない(動画とか考慮してないからその部分は単純に追加になるイメージ)

<構築までの見積もりイメージ>

情報設計

1000000

1人月

デザイン

2000000

2人月

html一式

1000000

1人月

アクセシビリティ

3000000

一式

コンテンツ移行

3750000

750円×5000ページ

インフラ初年度

2000000

 

次年度以降4

4000000

年100万×4年 月8.3万 必要最低限レベル

テスト作業

2000000

一式

プロジェクト管理

3000000

3人月

CMSライセンス

2800000

イニシャル200万+1年20万継続ライセンスを4年

ドキュメント作成

2000000

一式

CMS構築

9000000

9人月

スマホ・モバイル対応   

2000000

 2人月

教育研修

1000000

 ドキュメント含め1人月

保守対応

4000000

月8.3万×4年 必要最低限レベル 常駐なし

 

 合計

42550000

 

 こんな感じです
かなりいい加減で大雑把もいい所ですが、求められるであろう要件を全部満たし魅力的な提案にする事を考えると遠からずな感じだと思います

上記のような内容をリアルに想像出来る業者さんとかであれば、今回の4500万という金額が、妥当なラインでこれ以下の金額では厳しい、というのが実感として自然に出てくると思います
※公共案件ってWeb業界でも特異な部類なので、一般的なWeb業界に携わる人でもリアルに想像出来ないのも無理もありません

このネット記事の渋谷の業者さんが「高くて2000万」と言ってますが、2000万でもかなり厳しく、契約後に「あれは出来ない、これはできない」と、やるやる詐欺レベルで無理やり丸め込んで炎上するパターンか、「高い」というネット世論の結論ありきで安く見積もった適当な金額ではないかと感じます
それで出来るなら実際その金額で入札してもらいたいもんですが、、、実際その業者はしなかったという事はどういう事か、想像すればわかりますよね?

今回の案件の具体的な内容は知りえませんが、私の感覚では超おおざっぱに括ると「妥当」な範囲にくくられる金額です
妥当どころか安すぎですね

 

2、求められる品質を見直すプロセスが必要

それでもやっぱり「4500万は高い」という声、それもわかります

普通の感覚で、今やホームページビルダーでおじいちゃんでもホームページが出来る時代です
無料でホームページを構築するサービスもたくさんある
そんなご時世にホームページに4500万円と聞くと、感覚的には「高いだろ」「首相官邸がリニューアル出来るわ」という声も理解出来ます

1では、製作者目線での金額の妥当性を訴えましたが、2で言いたい事は、「発注者の求める基準が過剰ではないか?」というお話です

“何も気にしなければ”45万とかはさすがに無理ですが4500万円の半分の予算、もしくは数百万で構築出来るかもしれません

単に構築だけなら良いのですが、それに伴うドキュメントの提出であったり、品質を担保する為のテスト、それが正常に終わった事(つまり、テストで異常ありませんでしたという証拠)を保証する為のドキュメントの提出だったり、それに付随した作業が膨大なのです
要は、本質でない部分のコストが膨大だ、という事です
そういう意味で”何も気にしなければ”という事です

サービスレベルの品質基準一つ取っても、かなり高いでしょう
例えば個人ホームページを作成する感覚で、サーバーも滅多に落ちないしロリポップでいいじゃんとか、安いクラウドとか使えばもっと安くなるという話になりますが、国家を挙げてのWebサービスとなると、そうは行きません

サーバーで言うと、「絶対に落ちない」と、「ごくまれに落ちるかもしれないけど、ほとんど落ちないからそれで良いよ」では、それを満たす為の費用を考える場合、その僅かな違いが雲泥の差の金額になります

構築のレベルも、そのプロセスも、納品する成果物も、過剰なまでの品質と、それを満たした事を示す為の証拠を求めます
万が一、求めた品質を満たしていないような不具合が発生した時の責任を受注者に被らせる為に、国も必死なんですね
そして優秀な受注者は、そうならない為に万全に構築しますので、その過剰な品質に応えるため費用がどんどん膨らみます
それらの作業が全て無駄だと言いたい訳ではないですが、「本当にこの品質が国民にとって必要なのか」という事や、「過剰なまでの品質を満たす為に、本質以外の所で膨大な費用がかかっているのではないか?」とういことです

膨大なコストをかけた仕様書やテスト報告書などは、問題が発生ない限り見られる事はないでしょう
検品時に検品担当がさーっと目を通して誤字脱字など指摘する事はあっても、検品されればそれで終了です
納品される事が目的なのです
マニュアルやガイドラインは活用されると思いますが、膨大な仕様書や設計書などは基本的には倉庫やキャビネットに眠る事になるでしょう
読みきれない量の情報を求めて、それを作成し、誰も見ない
もう、人間が扱える範疇を超えたやりとりがそこにある訳です
扱えないが完璧を担保する為に膨大な付随作業が発生し、完璧に完遂する事を求められ、完璧にこなす

公共案件やこの規模以上の案件を受注して制作している業者さんの中の人であれば、この感覚に共感出来る人は多いんじゃないかと思います
少なくとも私はそう思っています

併せて、「Webサービスを支える細やかな技術は明らかに目に見えない」、という点も考慮したいです
例えば宇宙に行く為の技術や、スパコンで世界一の性能を目指す、という予算であれば、明らかに目に見える成果があり、誰の目にも明らかなのでわかりやすいですよね
それに文句を言う人はいるかもしれませんが、「宇宙に行くための費用」や、「世界一の性能を目指す為の費用」というくくりで予算感を明示する事は可能です
そして、それは見方によって成果が変わる訳ではありません

Webの技術はそれらのように目に見えて万人に分かりやすいという訳ではなく、同じ仕様でも人によって感じ方も違うし、手にとって見ることも出来ない
365日24時間サーバーが稼働する為の費用や、アクセスが集中した時にも耐えられる費用であったり、過剰かどうかは置いておき、日本の技術として高品質なWeb技術を培う為の費用、最高レベルのサービスを提供する為の費用というと、とたんに目に見えなくなります
一般的な消費者目線で、誰の目にも明らかな成果が手に取るように見える訳でもないし、スパコンのように単純に性能を数値化出来るものでもない

逆に、たまに落ちたり、遅かったりすると、それこそ怒号のように叩かれまくる事は必死です
国のサービスとして、国民が普通に使うためにどれだけの費用が必要なのか、というのが普通に使えて当たり前になっているからこそ一般的にわかりにい

だからこそ、どのレベルのものを提供するためには、これくらの技術が必要で、これだけの費用が必要だ、という事を理解してもらう為の努力も必要だと思います
それは国としても努力するべき部分であり、製作者側もその努力は必要だと思っています

ネット上の感想を見て一番共感を受けたのが、「受注金額の内容を公表して透明化してほしい」という声でした
これが出来れば少なくともネット上の怒りの大部分は、ある一定の納得感に変わるのかな?と感じました

そうする事ではじめてどの位の品質が妥当なのかという検討が可能になるのかなと思います
そのように、制作に関わる金額を公開し、サービスを受ける側のユーザー(国民)が妥当かどうか検討し、その声を反映する構築プロセスが今後必要になってくるんではないでしょうか
国のサービスとして費用対効果が最も妥当だと思われるラインを見極めるプロセスが入らないから、閉ざされた一部の人(しかもほとんど手探り)で品質が検討され、その多くは、過去の品質からの単なる上積みのみとなり、雪だるま式に求められる品質が膨れ上がる

そして、一見平等で民主的に見えるプロポーザル制度によって入札されるが、実際は誰の意見も反映していない非民主的な制度だと揶揄されてしまい、単純に金額だけ切り取られ「高い」「ムダに費用かけすぎ」という印象を抱かせてしまうのではないかと思います

品質が高い事、値段が高い事、それのみを切り取って問題だという事ではなく、妥当な品質を判断するプロセスを経ていない、国民の判断の余地が無い、選択肢がなく搾取的な構造というのが問題だという事を言いたいのです
必要とされていない品質であれば無駄だし、過剰な品質が独り歩きしているんじゃないか?という事です

 

3、工夫出来る所はある、という視点に立つために

そして、3ですが、2で言ったような「国民視点での妥当な品質の見極めプロセス」が実際の構築案件の中で実現できれば、もっと工夫出来る所があるんじゃない?という考えに立つ事が出来ます

単純に安く済まそうと思えばいくらでも安く出来るでしょう
中には、「国の為ならタダでも良い」という人もいるかもしれません
ただし、それ相応のサービスや品質が求められる上で、どこが妥当なのかを見極める必要はありますよね
ロリポップとWordPressで、個人ホームページレベルのサービスで良いか、というと、それは違うよねという事です

今までのMade in Japanがそうであったように、首相官邸のホームページも「愚直なまでに高品質」である所は否めない感はあります
そしてそのために「どれだけのコストと犠牲を払っているのか国民の誰も知らない」という事が問題で、どこまでが妥当なのか見極めて、安く済ませそうな所は安くしようよ、という事です
単純に金額だけ下げれば良いという事ではなく、国のサービスとしての質を、ユーザー(国民)目線で見直すプロセスを公共案件にもそろそろ標準化しても良いのかなぁなんて思いました

もちろん選択として、高品質に過剰に過剰を重ねて求められ作り続ける、そういう選択肢があっても良いと思います
ただインドや中国のIT技術の台頭プラス安い人件費という高回転なエンジンをブンブンふかし続けるアジアのIT情勢の中で、今の日本のIT業界、Web業界は勝負出来るのか、これからの日本にとってどういう選択が迫られているかという視点から熟考する必要があるんじゃないでしょうか
そういう時期に来てるんじゃないの?という感じ
そこに立つ為に出来る事からやっていこうよと

で?
DE?

どうするの?という話ですが、やっぱり、受注業者の公表や、金額の内訳の透明化という所からやってみたらいいんじゃないでしょうか

その他、良いアイディアがあれば、そして機会があればですが、自分でも提案、実践していきたいと思います^^まぁ出来る範囲でがんばります

 

最後に

これは所感ですが、リニューアルされた首相官邸のホームページを見ると、パッと見デザイン性が低かったり、ダサかったり、構造が糞だったり、と個々の感想はあると思いますが、私からすると(文字化けや誤字脱字といった基本的な問題は問題外として差し置いて)膨大なコンテンツをうまく整理し公共性の高い高品質なサイトに見えます

どんなに完璧なサイトにも必ず叩きどころはありますが、ターゲットに対しサービスの目的が果たせているか、という点においては、デザインやコンテンツ、構造、サービスレベルなど高いレベルで実現できていると思います
また、公共性が高ければ高いほど、表面的なデザインより重視されるものがあって、そういうの含めて表現されるのもデザインだという事かな
アメリカの政府系サイトなんかは、テキスト中心ですが、タイポグラフィでバシっと決まってて格式も高くカッコイイですよね
(タイポグラフィについては、2バイト文字語圏国独特のテーマにもなりますが、、

ではでは、いきなり久しぶりなエントリーで超長文の上、全然面白くもない内容で申し訳ありませんが、金額だけ見て反応的になるのではなくって、ちょっと違った視点から考察頂くきっかけになれば良いなという感じのエントリーでしたー

あ、言っておきますが私は一切関わってませんし、知り合いがやったとかでもなく、ステマでもないし完璧な第三者です
民主党がどうとか自民党がどうとかという事でもありません
単に製作者からの視点、という事で言いたい事を言ってるだけですのであしからず的な

 

追記:4月5日 20:48

コメントでご指摘頂きましたが、今回はIIJ(インターネットイニシアティブジャパン)が随意契約で契約したようです

参考:落札データベース http://bank-db.com/rakusatu/29405 

入札云々の下りは、今回のケースには当てはまりませんが、一般的な入札案件の場合という事で捉えて頂ければと思います

予算としては、全体で1億2390万円で落札され、初期開発導入費として4500万円だったのかもしれません

私が概算で出した構築費については、5年保守込みで4500万円に帳尻合わすなら?っていうレベルでサーバーやセキュリティなど最小規模で出しており、コンテンツも精査しておりませんので、あくまで想定という事で捉えて頂ければと思います

動画配信や外国語対応、万全なセキュリティ等考えると、初期構築費だけの想定で4500万円でも妥当かな…とか思ってたので予算的な妥当性はそんなに外して無いと思います

随意契約なので入札に比べると楽な部分はあると思うので、ガチンコで入札となればちょっとは予算は下がってたかもしれないですね

 

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首相官邸ホームページのリニューアル構築費用に対して製作者側からの考察 « 7dw/ナナイロデザインワークスのブログ

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「スタンフォードの教授になるのは、研究者の到達点だと考えていた。しかし、突然色あせた」(参加型授業/無料) @jptechcrunch

Khan Academyからインスピレーションを受け、Sebastian Thrunもスタンフォードでの人工知能に関する授業をオンラインで公開してみた
誰でも簡単にサインアップして見られるようにしておいたところ、世界中で160,000の人が視聴したようだ
Sebastianはこれにより、対話型授業を作成して無料公開することのパワーを思い知ることになる
そして彼はスタンフォードを辞め、Udacityを立ち上げた
世界に向けて、大学レベルの教育を無料で提供しようという試みだ

上に掲載しているビデオでは、Sebastian ThrunがUdacityの共同ファウンダーとしてインタビューに応じている
Udacityが学ぶ人のキャリアにいかに役立つかを語っている
大学生の人も、あるいは大学には行かない人も対象としている
尚、iTunes Uのように講義を録画配信するスタイルではなく、スタンフォードで授業を受けた学生もオンライン授業を好んで閲覧するのだそうだ

Sebastianは以前、スタンフォードの教授になるというのは、コンピュータサイエンス専攻の研究者にとって、最高の到達点のひとつだろうと考えていたそうだ
しかしKhan Academyで学ぶ学生が何百万人にものぼることを知った
すると人気授業でも200人程度の生徒しか集められない自分の講義が突然色あせて見えたのだとのこと

尚、Udacityで提供される講義は今のところコンピュータサイエンス分野に限定されている
現在専門家がいる分野から提供を始めたというわけだ
講義内容には「Building a Search Engine(検索エンジンの作り方)」や「Programming a Robotic Car(自動走行車プログラミング)」といったものが用意されている
実はSebastianはGoogleの自動走行車の開発者の一人で、まさにこの講義にぴったりの人物ということができる
将来的には通常の大学の規模をそのままオンラインで実現したいと考えている

現在のところ、受講料はすべて無料だ
そして将来的にも無料を維持したいと考えている
マネタイズをどうするのかということについて、Sebastianは優秀な技術系学生を企業に提供することで金銭的対価を得たいと述べている
Udacityは誰が優秀な学生であるかを承知しており、企業のニーズに応じた学生を提供することができるとしている

ところで講義はiTunesで提供されているものや、MIT OpenCourseWareで見ることのできるものとは異なる
インタラクティブにできていて、学習内容について質問されることもある
インタラクティブな学習を自分のペースで行なっていけるのは大きな魅力だろう

もちろん、オンラインで数万名にものぼる生徒に向かって授業を行うことの欠点もある
また、生徒同士の横の繋がりというものも生じにくい
教授が生徒ひとりひとりを認識して授業内容に反映させていくということもない
UdacityではGoogle Moderator経由で質問をうけつけているが、これはやはり現実の教師-生徒関係とは異なるものだ

Udacityの目的はといえばもちろん広く教育機会を提供することだ
とくに何らかの理由で学校に通えなかったり、あるいは通うには仕事が忙しすぎるというような人を対象としている
無料の授業から大きな価値を得ることができる
ただし、こうしたサービスがあっても、時間とお金がある人はやはり従来のスタイルで学校に通って(あるいは公式に認められた通信教育を通じて)、そして学位を得たいと思うことだろう
Udacityが企業や社会との間に、何らかの信任関係(ないし人材の需給関係のようなもの)を築くことが出来れば、あるいは教育へのニーズというものも変わってくるかもしれない

またプログラミングウェブアプリケーション・エンジニアリングの講義(講師はHipmunkおよびRedditのファウンダーであるSteve Huffmanだ)も無料で行われる
こうした講義も用意されるわけで、アイデアがあるのにスタートアップ設立をためらっている人にとって、もはや「ちょっとプログラミングの知識がなくてね」なんていう言い訳が通じなくなるわけだ

Sebastian Thrun image

Companies: Udacity, Charles River Ventures, Google

Sebastian Thrun is co-founder and a professor at Udacity.

Thrun formerly worked as professor of Computer Science and Electrical Engineering at Stanford University and Director of the Stanford AI Lab. He led the development of… Learn More

Information provided by CrunchBase

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

スタンフォードの元教授、大学レベルの教育を万人に提供するサービスを開始

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太陽電池 ‐ 補助金事業は限界か。 @reuters_co_jp

独太陽電池のQセルズ、法的整理を申請へ

2012年 04月 3日 09:29 JST

[フランクフルト2日ロイター]ドイツの太陽電池メーカー、Qセルズ(QCEG.DE: 株価, 企業情報, レポート)は2日、法的整理を申請する方針を明らかにした
一時は脚光を浴びた太陽光関連機器業界は、価格下落や過剰生産能力、政府による補助金削減による打撃を受けており、最近もソロン(SOOG.DE: 株価, 企業情報, レポート)、ソーラー・ミレニアム(S2MG.DE: 株価, 企業情報, レポート)、ソーラーハイブリッド(SHLG.DE: 株価, 企業情報, レポート)など、ドイツや米国のライバル企業の破綻が相次いでいる

Qセルズは「金融リストラクチャリングに向けた代替策を懸命に探ってきたが、取締役会は、法的に十分な企業存続能力が回復できないとの結論に達した」との声明を発表し、事業継続に向け管財人と協議したいとの考えを示した

Qセルズは2005年に株式を上場し、世界最大の太陽電池メーカーとなったが、2009年にはアジア勢による低価格攻勢を受けて業界トップの座から陥落
価格下落圧力や業界の過剰供給に苦しんできた

同社株は2007年のピーク時に約84ユーロまで上昇したが、過去1年間に93%下落
2日には約40%下落し、わずか0.126ユーロに落ち込んだ

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独太陽電池のQセルズ、法的整理を申請へ | ビジネスニュース | Reuters

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