1.スクープと「再発見」の力
Gawkerは、かつては別のサイトのニュースも含んだ、リミックス構成でした
その日の一番の人気記事、不人気記事の違いはほとんど区別されていませんでしたし、量もさほど多くなく、何よりもっと管理しやすく出来るはずでした
しかしながら、訪問者は、均質でそして熱狂的で、ブログ形式では、記事の重要性が区別しづらく、コアリーダーにとっては、その中身は全て見透かされていたのだと思いますメディア間の競争において重要なことは、いかに既存のコンテンツをWeb資産として活用するかです
メディア間の競争法則は既存メディアもウェブも同じで、スクープはトラフィック増になるのは当然でした例えば、メルギブソンの暴言、マイケル・リチャードの人種差別発言、マイケル・ジャクソンの死などといったニュースなどです
こういう事から、アグレッシブなスクープのニュースは、スクープは風刺ブログに勝る、ということを学んだのです
そして、Gawkerは2008年以降成長し続け、米国内で1週間に30万人から140万人が訪れるメディアにまで成長しました
トム・クルーズのサイエントロジーの動画、iPadのセキュリティ違反の記事などは、センセーショナルなスクープ記事として、最高点に達しましたしかし、このような記事自身は広告収入をもたらしません(広告主はつかないので)
トラフィックは完全に予想できないし、そして広告主は基本的にスキャンダル記事に出稿したがりませんが、しかし読者を「釣る」ことができるのも事実です
一方で、記事自身が広告収入をもたらさなくても、「スクープ」は読者を生み出し、そのトラフィックは結果的に広告収入をもたらすのも事実ですじゃあそれの何が問題かって?
たとえばiPhone 4 の試作機の画像が米GIZMODOから流出した時の大ニュースを振り返ってみます
この件で、クラシックなブログ形式は破綻してしまうことを証明してしまったのです反時系列で、iPhone の試作機の動画をトップに出し続けるために、馬鹿げたことに実際に米GIZMODOは他の記事の公開を数時間ストップしていたのです
その瞬間、その記事は90%ものサイトトラフィックがあるほど人気記事だったのに、他の記事と同等に扱わなくてはいけなかった
ゆえに、新しいサイトで採用される「スプラッシュ」記事は、常にトップページに掲載され、 タブロイド紙や雑誌のカバー同様、ビジュアルインパクトも充分
読者の興味を引く限り、ずっとトップにキープしておける、というわけです
【1/4追記】以上の点を鑑みて構築されたGawkerのbeta版サイトは、現在http://beta.gawker.com/より見ることができます
また文章を何点か修正しました
Nick Denton(原文/mayumine)
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