電子マネーの発行および決済システムを提供する株式会社ウェブマネー
デジタルコンテンツ市場の成長とともに急成長を遂げ、その勢いは衰えを見せない
同社のマーケティング企画部部長である大工原氏は冒頭で実績推移を示し、2000社以上の企業が利用し2010年8月で過去最高の単月売上60億円達成に至るまでの経緯を紹介した近年はモバイル市場における急速な普及が進んでおり、その割合も40%を占めるまでになっている
今後ますます増えるスマートフォンでの利用によって、その傾向は強まるばかりと予測されているそれではモバイル利用において、電子マネーはいったいどのような場面で使われているのだろうか
現在で最も多いのが、グリーを代表とする携帯電話の一般サイトでのサービス利用だという
さらに加えて公式サービスにおいても、2010年7月29日にdocomo携帯公式サービスでWebMoney決済が利用できるようになった
携帯公式サービスにおいてキャリア課金以外の課金手段ができるようになったことは初めてであり、画期的なことだという大工原氏は、調査結果によってキャリア課金を望まないユーザーが2~3割もいることに触れ、「こうしたユーザーの積み残しは、サービス提供者にとって大問題
ユーザーのライフスタイルに合った決済サービスを提供し、利用者になってもらえるようにするのも私たちの仕事である」と公式サービスでの課金サービスについての意義を語った
なお自社の公式サイトで外部課金を利用するには、docomo側に申請し、公式サービスの審査をパスする必要がある
現在グリーをはじめとする15社が名を連ね、今後はまだまだ増加する予定だ携帯サイトでの利用増加とともに、スマートフォンにおける課金サービス利用が進めば、ウェブマネーにとって新たなビジネスチャンスといえる
既にゲームの他、コミックや動画など、様々な事業者、サービスにおいて利用がはじまっており、その数は急速に増加しているという
しかしながら、多くのサービス提供者が悩むのが、無料サービスの課金化など、いわゆるマネタイズについてであるタイアップ企画やリアルイベントとの連動、プロモーションなども支援活動の一部であり、ウェブマネー独自での啓蒙活動にも力を入れているという
また、ウェブマネーは主にコンビニエンスストアで購入するという形態をとっている
そのため、パートナーであるコンビニエンスストアのスタッフの認知が不可欠だ
そこで、親和性を高めるためにポスターや店内放送などのプロモーション活動も行なっている勢いに乗るウェブマネーだが、docomoの公式サイトだけでも年間2400億円以上の市場になり、その一部を担うに過ぎない
ウェブマネーの利用者を代表して株式会社グリーの相川氏が実際のサービス導入と利用状況を紹介した
2010年9月末の時点で総会員数2246万人を突破し、日本最大のSNSとして躍進ぶりは誰もが知るところだ
特に2010年6月のサービスオープン化に伴う、外部からのコンテンツ流入が引き金となって成長に弾みがついたという
ユーザーは老若男女、地域などで偏りがなく、誰もが利用するサービスとしての認知度を高めつつある相川氏は、様々な属性のユーザーが利用するグリーのサービスにとって、ウェブマネーは大きな役割を果たすと評価する
それまで唯一の手段だったキャリア課金に加え、新たな課金チャネルを提供することで新たな課金層を生み出し、売上に直結させようというわけだなお、グリーでは2009年10月からPC版サービスのアバター関係の決済にウェブマネーを導入しており、堅調な伸びを示していたことがモバイルサービスへの導入の決め手となった
事実、モバイル版でも2010年7月に導入して2カ月めから目に見えた“上積み効果”が得られたというつまり、懸念されていたキャリア決済の利用低下にはならず、これまで利用していなかった新たな層を獲得することができたというわけだ
また、その内実を分析してみると、ウェブマネー利用者は7~8倍も利用額が多く、他のキャリア決済も利用しているということが明らかになった
こうした高い効果を踏まえ、グリーではKDDIやSoftBankなどの他のキャリア展開を検討・協議しつつあり、今後いっそう増加するであろうスマートフォンにおける展開についても、検討を進めつつあるという
これまで閉ざされがちだったモバイルにおける決済に、風穴をあけたウェブマネーの今後の展開に期待したい
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