ホールボディカウンターにまつわるよくある不信と専門家の反論をたまたま見かけ、福島原発事故後の放射性ストロンチウムとプルトニウムの測定値についてまとめてみました。
その後9月30日に文部科学省から福島県下の土壌中の放射性ストロンチウムとプルトニウムの実測結果http://t.co/JnhiRDyg が公表されましたので、関連の議論を追加しました。この地図はぜひIAEAのチェルノブイリ事故報告書http://t.co/SdxHrw6C に出ているストロンチウム90(p.26, 図3.8)とプルトニウム(p.26, 図3.9)の汚染地図と比較してみられる事をおすすめします。まとめ
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ホールボディカウンター、γ線だけを計測。プルトニウムとかストロンチウムは計測不能。でそれで大丈夫かという質問が出るが、専門家はいつもスルー。内部被爆を誤魔化す装置としてのホールボディカウンターというのを読んで納得。ま、こんなもんだ。
@mTsuruta たしかにホールボディカウンターはγ線核種しか計れませんが、内部被曝があったという証明になります。α核種や純β核種は、その結果を見て空気中や食品中の濃度から摂取量を計算し線量を評価できます。ホールボディカウンターは決して無駄ではありません。
@kshino1219 無駄ではないとは思いますが、専門家がプルトニウム、ストロンチウムを計測できない事を指摘されて、気にしなくて良い、というスルーの仕方は問題だと思います。今後特にストロンチウムが深刻化してきますから。主に堆肥による土壌汚染で。
@mTsuruta @kshino1219 原発から離れた場所の土壌中の放射性物質の多くは、大気中に放出されたものが雨とともに地上に落ちて蓄積したもので、大気中に放出される放射性物質の量の大小は沸点の高さと関係します。
@mTsuruta @kshino1219 ヨウ素の沸点は184.25 ℃、セシウムとストロンチウムの沸点はそれぞれ671 ℃と1382 °C。チェルノブイリ事故後の土壌中のストロンチウム量はセシウム量の約10%でしたが、福島県下の14地点の土壌中の実測結果は0.01-0.14%
@mTsuruta @kshino1219 堆肥の原料である落ち葉の放射性物質も、原発敷地から離れた場所のものなら土壌と同じく大気中に放出後落ちたものですから、基本的にストロンチウム/セシウム比は土壌中と大きく変わらないはず。詳しくはこちらhttp://t.co/FXxAe6L
@mTsuruta @kshino1219 これに対し、原子炉から漏れ出す水の中の放射性物質の割合の大小は各物質の融点と関係しますので、当然大気中に放出される割合とは違ってきます。ヨウ素の融点は113.75 ℃、セシウムとストロンチウムの融点は28.44 °Cと777 °C
@mTsuruta @kshino1219 こちらのブログ記事http://t.co/HPcM92l はこれまでに公表されているストロンチウムの測定値の最良のまとめですが、原発敷地内の地下水や建屋のたまり水のセシウム/ストロンチウム比の実測値は土壌中よりずっと大きいことがわかる
@mTsuruta @kshino1219 もっとも、6月と7月の地下水中の測定値は5月に比べてセシウム、ストロンチウムとも検出される絶対量自体がぐっと減ってどちらも同程度になっており、ここで比の値が5月と比べて大きくなっていることにあまり深い意味はないと個人的には考えています。
@mTsuruta @kshino1219 失礼しました。海水中のストロンチウム/セシウム比が上がってきた原因については、ゼオライトを使ってセシウムを吸着除去したことによる可能性も考えられるとのことですhttp://t.co/slzlx1t
@mTsuruta @kshino1219 セシウムとストロンチウムが同程度の量存在するとして、6月と7月に2箇所で測定した地下水のデータのうち、濃度が低い方の5号機のサブドレンでセシウムだけが不検出になっているのは、2つの物質の測定法の違いに原因があります。
@mTsuruta @kshino1219 放射性セシウムはγ線を出すので、試料をそのままγ線測定装置にかけてγ線の強さから存在量を割り出すことができますが、放射性ストロンチウムはγ線を出さずβ線しか出さないので、一旦試料を加熱乾燥後複雑な前処理で他の物質を除き(続く)
@mTsuruta @kshino1219 (続く)さらにより強いβ線を出す他の物質に変化するのを2週間待ってからβ線測定にかけます。この乾燥と前処理の段階で濃縮がかかり、さらにβ線はγ線よりも検出効率がいいためストロンチウムの検出限界値はセシウムより低くなっているのです。
@mTsuruta @kshino1219 話を戻しますと、土壌中のストロンチウム/セシウム比はチェルノブイリ事故後の10%より小さいものの、原子炉から漏れ出た水の中が流れ込んだ周辺の地下水での実測値は10%を超えています。
@mTsuruta @kshino1219 現在の食品中の放射性セシウムの暫定規制値は、チェルノブイリ事故後の土壌中のストロンチウム/セシウム比10%という報告をもとに放射性セシウムの10%の放射性ストロンチウムが共存していると想定して決められているため(続く)
@mTsuruta @kshino1219 (続き)原子炉の中の水が周辺の地下水や海水中に流出すると、水産物中のストロンチウム/セシウム比が10%を超えて暫定規制値の想定条件が崩れる恐れがでてきますので、水産物のストロンチウム測定を急ぐ必要がありますが、水産庁の姿勢はかなり問題。
にもかかわらず、こういうデタラメな検査をするから、頭にきている。「水産庁のストロンチウムの検査が酷すぎる件について」 http://katukawa.com/?p=4684
@mTsuruta @kshino1219 福島原発から半径100 km以内の陸上では、6月から約1カ月間にわたって放射線マップを作るための大規模調査(地上1 mの放射線測定と土壌調査)が行われhttp://t.co/SDPMYPX 8月末に公表予定のこの土壌調査の結果で(続)
@mTsuruta @kshino1219 (続き)ストロンチウムとプルトニウムの飛散範囲が確定する予定です。プルトニウムの沸点は3228 °Cで、ストロンチウムの1382 °Cよりはるかに高く、これを見ただけでも大気中への放出量がストロンチウムよりずっと少ないと予測されます
@mTsuruta @kshino1219 さらに質量数(原子核中の陽子と中性子の数の合計)を見ると、原子炉内の核反応で生じる2種類の放射性ストロンチウム同位体は89と90なのに対し、3種類の代表的なプルトニウム同位体は238, 239, 240で(続く)
@mTsuruta @kshino1219 (続き)原発由来のプルトニウムの飛散は4地点のいずれでも検出されなかったと結論。(冷戦時代の核実験由来のプルトニウムと今回の原発事故由来のプルトニウムは同位体の量比Pu238/(Pu239+240)で区別できる) Content from Twitter 9月30日、福島県下の土壌中のプルトニウムとストロンチウムの実測結果が公表されました
プルトニウムが飛散 する/しない という話。どの程度という量の話が必須。今日読売が報じた4Bq/平米 で冷戦時の半分というのはありそうな話。量の問題を抜いて速報 とか言って煽った伊藤隼也 とかのデマジャーナリストは知識なく天然で煽る分有害。 Content from Twitter
@sakamotoh 全く同感。チェルノブイリ事故のとき原発から30 Kmの範囲の土壌中のプルトニウム量はIAEAの事故報告書では3.7 kBq/m2以上、土を掘った深さが文部科学省と同じ5 cmだと仮定すれば原子力安全委員会のkg→m2換算係数65で割って56.9 Bq/kg
@sakamotoh 文部科学省の出した福島県下の土壌のプルトニウムとストロンチウムの分析結果http://t.co/JnhiRDyg によれば,30 km圏の外で一番プルトニウム239と240の合計量が多かった飯舘村でも2.5 Bq/m2
@parasite2006 情報ありがとうございます。伊藤隼也氏とか東電福島第一の事故がチェルノブイリと同じレベルだという思い込みで語っていますが、プルトニウムについては大体3桁くらい東電の事故の方が小さいようですね。
@sakamotoh 私も今この計算をして同じように感じています。ご参考までに大熊町が金沢大学・山本教授に依頼した町内11カ所の土壌中のプルトニウムの分析結果を地図化したものがこちらhttp://t.co/btvWxn6 大熊町は福島原発の敷地の南半分が立地。北西方向ではない
文部科学省の出した福島県下の土壌のプルトニウムとストロンチウムの分析結果http://t.co/JnhiRDyg プルトニウムの地図はPDFファイルのp.8。上下に並んだ数字の上がPu238, 下がPu239とPu240の合計。数字が2つあって間に空白があるように見える所は小数点
福島原発から30 km圏内でPu239とPu240の合計の実測値が最大になっているのは、南相馬市南部の原発から20 km圏内にある山間部の測定点の11 Bq/m2ですからチェルノブイリのざっと11/3700 x100 =0.29% であることに変わりありません。
チェルノブイリ事故後のプルトニウムの飛散範囲の地図は、IAEAの事故報告書(英文)http://t.co/SdxHrw6C のp.26, 図3.9にあります。オレンジ色の部分がPu239と240の合計量が3.7 kBq/m2の部分。点線が原発から半径30 kmの範囲。 Content from Twitter 原子炉工学の視点からの考察
原発事故前の土壌中のPu238/(Pu239+Pu240)放射能比を、仮に0.025とする(要精査)。このとき原発事故前の土壌中(Pu239+Pu240)放射能濃度をx[Bq/kg]とするならば、土壌中のPu238放射能濃度は0.025×x[Bq/kg]となる
【MEXT】文部科学省による、プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について → http://t.co/PV46dRzU
訂正:土壌中(Pu239+Pu240)放射能濃度のα倍に相当する量の(Pu239+Pu240)が、今回の事故により飛散したとする。このとき、事故により飛散し土壌中に沈着したPu238及び(Pu239+Pu240)放射能濃度[Bq/kg]は、それぞれ2×α×x、α×xと表現できる
再掲:測定された土壌中のPu放射能比は、事故前に存在していたものと事故後に沈着したものを合わせたもの。先ほどまでの記号を使えば、測定されたPu238/(Pu239+Pu240)放射能比は(0.025×x+2×α×x)÷(x+α×x)=(0.025+2×α)÷(1+α)と表現できる
@hyd3nekosuki 有難うございます。この計算自分ではどうしてもうまく出来なかったのですっきりしました
なお保安院により公表された大気中への放射性核種放出量の試算値(http://t.co/VDHGqZ0V )に基づくと、Pu238/(Pu239+Pu240)放射能比は約3.0 → http://t.co/kEGHL5A1 .@hyd3nekosuki
http://t.co/hfVlTbfi ←こちらの地図を見て、Pu238:Pu239+240比と距離を散布図にプロット。切片3で無理やり直線を引いてみた(^^; http://t.co/m8QEHSZU Content from Twitter (このグラフは原発からの距離とプルトニウムの同位体比Pu238/(Pu239+Pu240) の関係を図解したもの。距離ゼロのときの比の値が大気中への放出量比に対応)
@shanghai_ii すごい!大気中への放出量比http://t.co/lk47ukLa と対応してます!
@parasite2006 いや、ぼく遠藤さんの書き込みを見て、切片決めたんですわ(笑)
@shanghai_ii わかりました。でもこれはとても説得力のある図なのでまとめに採用させていただきました。 Content from Twitter 原子核物理の視点からの考察
プルトニウム、ストロンチウムの結果、やっと出た。土壌調査のメーリスに来る案内は、いつもtwitterでさんざん知ったあとからのっそりやって来るから困る。
まぁ、だいたい予想した範囲内。考察は結構しっかりしてる。プルトニウムの具体的な値が出たからびびってる人が多いのは仕方ないか。
そうですね。早く出して欲しかったですね。まぁ、測定に時間かかるし、正確性を保障するためにクロスチェックとかもしてたみたいなので、ある程度は仕方ないんですが。 @catcatcat777 しかし半年もたって出すもんじゃないですよね…
セミパラセミパラチンスク核実験場の100km東から700km南にかけての土壌のプルトニウム239,240vsセシウム137濃度。出展は、金沢大の山本政儀先生ら(M. Yamamoto et al.)の2004年の論文。http: http://t.co/SzxvK8MR Content from Twitter (核実験場の周辺は、数百キロの範囲まで土壌中のプルトニウムの測定値がBq/m2単位で2桁、3桁という所が広がっているのですね。チェルノブイリの30 km圏は3.7 KBq/m2越え。福島県下は測定値が一番大きかったところでも11 Bq/m2)
Pu-239,240の量で区別できないなら、Pu-238の量でしか原発由来を判別できないということみたい。早野先生の図 http://t.co/rCEkGgW5 Content from Twitter
via togetter.com
ホールボディカウンターへの不信から始まったストロンチウムとプルトニウムの話 - Togetter