国内SNS大手のミクシィ(本社・東京都渋谷区、笠原健治社長)は8月31日、自社SNSサービス「mixi」内で企業が通販などを行えるソーシャルページの提供を開始した
無料で自分のページを作成できるもので、動画を利用するなど自由なレイアウトが可能
外部ベンダーのアプリを利用して通販を行うこともできる
ページをフォローしているユーザーのアクションは他のユーザーと共有される仕組みで、くちコミによる集客も期待できそうだすでに複数の通販事業者が同サービスの利用を開始しており、今後も多くの企業が「新たな売り場」を求めて参加するとみられる
競合するフェイスブックも先行して同様のサービスを展開しておりこれに追随する形となるが、国内でのユーザー数で勝るミクシィだけに、今後、より大きなシェアを獲得する可能性はある
しばらく注目を集めることは必至だ開始したサービスは「mixiページ」
個人・法人を問わず誰でも無料で自分のページを作成することができる
「つぶやき」や「日記」「新着情報」などの基本機能に加え、動画や画像を表示させるなど自由にレイアウトすることが可能
自社商品を陳列することもでき、外部ベンダーのページアプリなどを利用して同ページ上で通販を行うことも可能だただ、「mixi」ではセキュリティの問題でページ内での決済はできないため、通販を行う際は外部サイトへのリンクという形になる
だが今後、ミクシィではクレジットカードの利用を可能にする「mixi決済」の提供を予定しており、その場合はページ内での決済が可能になるようだ「mixiページ」の最大の特徴は、情報の"共有"だ
ユーザーはページ作成者を「フォロー」することができ、「フォロワー」にはページが発信する情報が届く
届いた情報に対してフォロワーがコメントや「イイネ!」を投稿すると、フォロワーの「mixi」のホーム画面にそれらの行動が表示され、「mixi」内の友人と共有できる仕組みとなっている
つまり「フォロワーの次の段階までアプローチできる」(ミクシィ)わけで、ページで紹介した商品やセール情報などがフォロワーに「チェック」や「コメント」されれば、その情報が「フォロワーの先」まで届くわけだミクシィではリアルの友人・知人との「閉じた」交流が多く、共有された情報はある程度、信頼性が保証されているため、うまく活用できれば、通販事業者はフォロワー経由による新たなユーザーの獲得などが期待できそう
通販企業が利用するにあたっては、いかに情報を「フォロワーの先」にまで届けられるかがポイントになりそうだ集客はこうしたフォロワー経由の集客のほか、自社サイトからの誘導が一般的
また、「mixiページ」は公開しているコンテンツのため、検索経由のユーザーを集めることができる
さらに、時期は未定だが、「mixi」内に表示する有料のバナー広告も用意する考えだという同ページの作成数は、リリース2日後の時点で約8万件
通販企業では楽天や千趣会、イマージュ、アイム、夢展望などがページを作成し、セール情報や商品紹介などを行っている
現時点ではほとんどは紹介までに留まっているが、アイムのようにカートまで表示し、購入時に自社サイトに遷移させるなどの事例もあり、今後、「mixi決済」や他ベンダーのアプリなどで決済手段が整えば、同ページでの通販展開が増加する可能性は高いフェイスブックの「フェイスブックページ」と競合するが、国内で2400万人超のユーザーを抱えるミクシィのサービスだけに、より多くのユーザーへのアプローチが期待できる
注視する価値はありそうだ
ミクシィが描くプラットフォーム戦略とは? mixi内で通販可能に - 通販新聞