フランス北西部の使用済み核燃料再処理工場「ラ・アーグ再処理工場」でも、長期にわたり海へストロンチウムが放出され問題となった('03年の年間放出量は515億ベクレル)
現地を取材したフォト・ジャーナリストの桐生広人氏が見たのは、地元漁師たちの嘆きだ甲羅にできた黒い斑点のため、売り物にならなくなったラ・アーグ沿岸のカニ[PHOTO]桐生広人「私が'99年に訪れた時、地元の漁師たちは名産だったカキやオマールエビなどの漁獲量が減り、甲羅に黒い斑点がある異常なカニや、肝臓が青や赤に変色したタラなどが、ラ・アーグの排水口付近でよく揚がるようになったと顔を曇らせていました
沿岸では白血病に罹る子供や先天性異常が多発していましたが、ラ・アーグとの関係性については謎でした」福島沖で検出されたストロンチウムは原子炉建屋の水素爆発、核燃料の溶融、東電が排出した汚染水、そのいずれかによるものか、もしくはそのすべてが原因だと前出の専門家たちは考えている
ピットから流出していた汚染水にもストロンチウムが含まれていた可能性が高い[PHOTO]東京電力提供「『冷やす、止める、閉じこめる』の大原則が遅々として進んでいない
今後もストロンチウムが漏れ続ける可能性は、否定するほうが困難です」(京都大学原子炉実験所・今中哲二助教)ダダ漏れが止まらないなら、せめて東電は正確な情報を公開すべきだ
国民の苛立ちは、もはや怒りに変わっている
ダダ漏れなのか! ストロンチウム90が海を殺す恐怖 東電の情報操作にはもうウンザリだ! | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]