■ 実名でソーシャルメディアに参加するメリットってなんだろう?
…筆者は、実名のメリットを突き詰めると「人脈の創造」に集約できるのではと思っている
つまり、Facebookのような実名コミュニティは「社会人としての自分、表の顔,ソトの顔」としての利用に向いており、
mixiのような匿名性の強いコミュニティは「飾りのない自分自身、家の顔、ウチの顔」としての利用傾向が強いと言えるだろう…社会に出ると外部から自分本来の性格とは異なる態度や役割を要求されるので、人間は「ペルソナ」(古典劇で役者が被った仮面のこと)をかぶらざるを得ない
実名コミュニティでは、ペルソナを被った社会性の高い人間の集まりになるため、誹謗中傷が少なく、穏やかな会話が交わされる
そして、これがコミュニティ文化と言われるものを形成していく言い換えると、社会人としてリアル社会と同様の感覚でネット上で交流できるのが実名コミュニティと言えるだろう
その上ではネットとリアルが自然に交差して、人脈が創造されていく
これが実名コミュニティ最大のメリットだ…TwitterやFacebookを実名ではじめたビジネスパーソンが特に恩恵を感じるのは、初期交流のハードルを一気に下げる効果だろう
まずその人物にたどり着く人脈探索でソーシャルメディアを活用できる。特にTwitterはオープンでフランクな文化なので、紹介なしに直接メッセージを送っても、礼儀さえ守れば不自然ではないし、先方も目を通してくれるはずだ
自己アピールにおいてもソーシャルメディアは最高のツールだ
ブログで専門分野を、TwitterやFacebookで人間性をアピールできる
パンフレットの静止文字より遥かに生き生きと見えることは間違いない実際にお会いする際にも、相手の考え方や人間性、趣味など、幅広いコンテクスト(相手の背景)を事前学習できるので、うちとけるのも早い
さらにネット上で継続的な交流も容易だし、良い情報を定期的にお届けするなどして貢献もできる
特に交流しないでも、顔写真をアイコンに使っていれば日常的にその顔やコメントが視界に入るため、印象が刷り込まれていく。表現は適切でないかも知れないが、テレビCM効果のようだこれが実名ソーシャルメディアによる人脈創造力だ
営業を例にあげたが、実際にはほとんどの社会人にとって人脈構築は大切なものだ
またビジネスだけでなく、趣味の世界でも実名のほうがリアルな交流に結びつきやすい。Twitter、Facebookを実名で利用しているユーザーの多くは、今までと比較にならないスピードで人脈が創造され、しかも継続的交流で関係性が深まっていることに気づいている■ これから、日本のソーシャルメディアの主流は実名になるのだろうか
最後に、疑問の原点であるmixi(匿名制)とFacebook(実名制)のシェア争いを再考してみたい
日本は世界でも数少ないFacebook未制覇国であり、一般人における知名度も低い
テクニカルに考えて、Facebook普及のためには、Twitterと同様に書籍ラッシュ、著名人利用、映画などをトリガーとしたマスメディア・パワーが必要となるだろう
知名度が上がれば、社会人を中心に実名性のメリットが理解されはじめるのではないだろうか
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