リクルートはデジタルコンテンツ市場への事業展開を目的にしたコンテンツ提供会社「ニジボックス」の設立を発表した
代表は現在リクルートの研究機関でマッシュアップアワードなどでも知られるメディアテクノロジーラボ局長の木村稔氏が就任、2011年1月から本格的に業務を開始する
メディアテクノロジーラボ自体はリサーチやサービス開発の継続しているため、名称そのままに残るなにも突然という訳ではない。今回発表にあたったメディアテクノロジーラボでは2007年の発足以来、28の携帯電話向け公式サイト、mixi、GREE、DeNA向けソーシャルアプリを2本、iPhone、Android向けのアプリもいくつか開発している
今回の設立はこれまでメディアテクノロジーラボで開発にあたっていたデジタルコンテンツユニットの資産を新会社に移管して事業化するというスタイルだなぜ分社化して取り組むのかという質問に木村氏は「リクルートの既存事業とは違うところに進出することになる
新しいところに踏み出すにあたって、これまでのやり方を踏襲するのではなく、新しいやり方をつくる必要があった
それが理由だ」と語る
新会社のスタッフは30名規模でスタート、本格稼働の1月1日に向けて新規採用を経て45名程の規模にするそうだ開発の規模とスピードについては「1年で150本ほどの開発を目指す
特に短期的に注力するのはソーシャルゲーム
マーケットのシーンは変わっていくと思うが、ここ1−2年はそこに注力することになる」と語った
その後の開発のペースについては「3年後に1000本を計画している」そうだ今後のビジョンとして木村氏は「ここからの10年、世界でネットに接続する端末は100億を超える
特にモバイルは重要」で、ビジネス面ではグローバル化が進むと語る
「日本におけるデジタルコンテンツは9000億円の市場
グローバルにみると2009年で29兆円
2013年52兆円と予測されている」
ニジボックスは目標として5年後に売上げ100億円、「世界でNo1のデジタルコンテンツカンパニー」を目指すそうだバブルだから参入するのかーー
巨大資本の参入はそこまで簡単にこの勢力図を変えられるのだろうか?
確かに今回の発表はソーシャルゲームに特化した発表ではないにしろ、現在最も熱い市場は当然そこだ
Zyngaによるウノウ買収に始まった数々のソーシャルアプリケーションプロバイダー(以下SAP)による億単位の調達、DeNAのnagmoco:買収のニュースなど既に市場は真っ赤に煮えたぎっている
後発のニジボックスに勝算はあるのだろうか木村氏は既存競合に対しての差別化について「リクルートという会社は営業という面でも組織化することが得意な会社
今回はそれを開発という場面にあてはめて考える」とコンテンツ開発における生産性向上のための仕組みづくりを挙げた
アプリの開発フレームワークや、ビジネスモデルの横展開など、単純開発ではない方向からも攻めるということなのだろうまた、この会社が最初の1-2年はソーシャルゲームに注力するとしながら、「デジタルコンテンツ」という言葉で提供範囲を広く取っているのも気になった
言葉の定義については「ソーシャルゲームやアプリも当然として、電子書籍、出版だけでなくリクルートの提供している情報提供ツールなどもすべて含めたい」という
熾烈を極めるソーシャルゲーム市場に巨人はどのような勝負を仕掛けるのだろうか
[jp] リクルートがソーシャルゲーム市場に本格参入。デジタルコンテンツ提供のニジボックス設立を発表。