経産省の改革派キャリア官僚の古賀茂明氏が、
松永和夫事務次官から何の法的根拠もなく、
事実上の退職勧告を受けています。古賀氏は、経産省の中にあって公務員制度改革を訴え、
民主党政権の問題点を指摘してきた勇気ある官僚です。
古賀氏の著書「日本中枢の崩壊」はベストセラーです。古賀氏は仙谷官房長官(当時)から脅されたことでも
有名になったことがあります。
気骨ある異端官僚といってよい人物です。その件に関して、今日の衆院予算委員会において、
渡辺よしみ代表が質問を予定しています。松永事務次官を政府参考人として指名したところ、
民主党が反対して質問できないことになりました。民主党が松永事務次官の招致を否定した理由というのが、
なんと「前例がない」というものでした。
都合の良い前例はきちんと守るのが、民主党政権です。国会の委員会では、各省庁の局長とか、審議官とかは、
頻繁に国会に呼ばれて答弁をしています。
原子力保安院の院長等も委員会質疑の常連です。もちろん担当大臣は答弁に立つ義務があります。
副大臣や大臣政務官もしょっちゅう答弁に立ちます。
政務三役が国会で答弁するのは当然のことです。事務次官の上司の大臣には答弁を求めることができて、
また事務次官の部下の局長や審議官にも答弁を求められて、
どうして事務次官だけが答弁できないのでしょうか?「事務次官だけは答弁に立たない」というおかしな前例は、
政権交代を機にやめてしまえばよいのだと思います。もっとも民主党政権は「事務次官廃止」を唱えていましたから、
事務次官の答弁など考えてもいなかったかもしれません。古賀氏に辞任を迫った張本人の事務次官を、
国会に呼べないのは理解に苦しむ事態です。
民主党政権の変節ぶりは目を覆うばかりです。
民主党の変節:古賀氏問題: 山内康一 の「蟷螂(とうろう)の斧」